Washtenaw郡
「米国で最も教育熱心な都市」の郡は、IBM FileNetをOnBaseに置き換えることで40万ドルを節約します。
FileNet P8をアップグレードする代わりにOnBaseへ移行したことで、即時に40万ドルを節約できました。今後も低コストで独自にシステムを改善させていきます。たとえば、現在使用しているワークフローをFileNetで開発した場合、さらに20万ドルの費用がかかると予測されます。
— Washtenaw County ECMコーディネーター Kimberly Wraight氏
お客様
Washtenaw郡は、デトロイト市の西に位置し、多くの高学歴者が好んで居住地として選ぶ、人口約35万人 (2010年度統計) を擁するミシガン州の郡です。その郡庁所在地は、最先端の研究と開発で有名な州立ミシガン大学の本部が置かれたAnn Arborにあります。2019年には、CNBC.com がAnn Arborを「米国で最も教育水準の高い都市」に挙げ、US Newsもかつて「引退するのに最も賢明な場所」のトップ10に入れたこともありました。このようにWashtenaw郡では、郡職員として22の部門におよそ1,300名が働いています。
郡の文書をより適切に管理・保存することを目標に、Washtenaw郡はIBM FileNet エンタープライズコンテンツ管理 (ECM) ソリューション を導入しました。環境衛生部局と建築検査局を含む5つの部署から始めるという小規模の導入方式が採用され、郡の指導者たちは、文書へのアクセスが改善されることで、プロセスの効率とサービスが向上すると期待していました。
しかし、5年後、Washtenaw郡は少なくとも3つの問題のため、FileNetのアップグレードか置換を検討していました。
- 第一に、FileNetは、日々のシステム管理からシステムの改善、変化するニーズに応えるためのシステム拡大に至るまで、その内容に関らず、あらゆる変更に対してカスタムプログラミングやインテグレータのコンサルティングサービスが必要でした。そのため、IT担当者は、郡のECMソリューションを思い通りに管理できないといった状況にあっただけでなく、単純な変更にも多くの時間を必要とし、ECMソリューションの総所有コストが高額に上っている状態でした。
- 第二に、ECMハードウェアの寿命が最終段階に差し掛かり、Unixベースのサーバーを置換するだけで、10万ドルを支出せざるを得ないという事態に直面していました。
- 第三に、多くの部門が業務の流れを改善するためのプロセスを必要としていたにも関わらず、郡が導入したECMソリューションは、ドキュメントをスキャンしてシステムに取り込み、検索を可能にするだけのものでした。また、技術面の複雑さやコスト面の問題から、FileNetでワークフロー機能を展開することが難しく、FileNetへの投資をこれ以上有効利用することは不可能でした。そのため、その費用と市場での知名度にもかかわらず、FileNetを使用していたのは、一部の郡の部署に所属する20人のユーザーのみでした。
FileNetを新しい部門に展開するには、通常2〜3か月かかり、サービスインテグレーターが必要でした。OnBaseの場合は、何分の1かの時間と費用で独自に展開することができます。この2つのECMソリューションは、どのように比較しても、比べものになりません。」
— Washtenaw郡OnBase管理者、Dave Wilson氏
解決策
Washtenaw郡は、認定OnBaseソリューションプロバイダー、ImageSoft が提供する OnBase を選定しました。Washtenaw郡は、FileNetの既存ユーザー20名の移行やアップグレード費用としてIBMが提案した金額と同額で、OnBaseへ移行し、Unixサーバーをより効率的で低額なMicrosoftサーバーに置き換え、15部門を対象とする100件以上のプロセス改善のためのワークフローを導入しました。
適切なベンダーの選択
5年前のFileNetソリューションは、拡大するビジネス要件を満たすためにアップグレードが必要で、Unixハードウェアを交換しなければことは明らかでした。しかし、予算削減が迫っていたため、IT部門は、他に高価値で実績のあるコンテンツ管理ソリューションがないか検討することにしました。
Washtenaw郡がソリューションに求めた内容とは、組織内で管理が可能なこと、低額な総所有コストでより包括的なECM機能が提供されることでした。そこで彼らは、Microsoftプラットフォーム上に構築されたコンテンツ管理ソリューションを探すためのRFPプロセスを開始し、継続的なコンサルタントサービスなしで、郡の必要に応じてソリューションを維持および拡張できるようにしました。全体として、OnBaseを選択する前に11の異なるベンダーを評価しました。
サービス、サーバー、ソリューション面での節約額40万ドルに加え、独自の管理を実現
OnBaseの導入後、費用対効果が即時に実現しました。 FileNetソリューションの全機能を15部門の数百のユーザーに拡張する場合にかかる費用の半額の費用で、Washtenaw郡は、より多くのユーザーライセンスと機能を得ることができただけでなく、ECMシステムをIT担当者が独自に管理し拡張することを可能にしました。FileNetからOnBaseに移行する前は、ECMとの統合は1つの業務アプリケーションだけに限られていました。さらに統合の実行・運営に必要なVBスクリプトの作成に数週間を要し、統合の実施後は担当者によるスクリプト管理が必要でした。OnBaseの導入後は、IT担当者がカスタムコードやスクリプトを行うことなく、すでに50以上の業務アプリケーションをECMと統合しています。また、OnBase移行の一環として、同郡が独自に開発したVBスクリプトによるKofaxスキャンソリューションもOnBaseに変換することで、ソリューションのカスタムコード化や異種類のレガシーシステムにかかる費用や管理業務を排除することができました。
ITは、コンテンツ管理システム を完全に制御することで、優れたサービスを提供できます。また、サポートが必要であれば、カスタマーサポートは、以前のインテグレーターと比較して、昼夜を問わず行われます。「今までは、サポートを依頼する度に営業部門を介して電話サポート用のプロジェクトチケットを発行する必要がありました」とOnBase管理者のDave Wilson氏が説明します。「今では、ほとんどの質問に対する回答を数分で得ることができます。我々を単なる収入源として捉えるのではなく、パートナーのように対応してくれるソリューションプロバイダーに大変満足しています」。
FileNetからOnBaseへの移行を5か月で完了させ、ソリューションをかつての3倍の15部門に拡大
導入からわずか5か月間で、画像データを紛失することなく全てのFileNetのデータを変換しただけでなく、FileNetを使用していた5部門のユーザーに対するOnBaseトレーニングを完了し、新しいソリューションの使用をスムーズに開始させることができました。5部門から15部門へ、ユーザー20名から300名へ、ドキュメントの単純なスキャン、保存、検索という限られた機能から自動化した100件以上のワークフローへと拡大させる作業にかかった期間は開始から終了までわずか15か月間でした。OnBaseを使用している部門は次のとおりです。
- 人事
- 金融
- 購買
- 建物査察
- 保安官
- 裁判所
- 児童サービス
FileNetからOnBaseに移行する理由
FileNetからOnBaseに移行することで、実装にかかる費用が節約されるだけでなく、カスタムプログラミングを行わずに、システムの管理、変更、拡張を自ら行うことが可能となり、OnBaseへの投資から大きな費用対効果を得ることができます。