ロレアル
ロレアルは美容業界の世界的リーダーで、110年の歴史を誇ります。現在では、36の国際的著名ブランドを150か国で販売し、全世界で8万8,000人の従業員を雇用するまでに成長しています。2022年における製品販売高は65億個、収益は382.6億ユーロに達しています。
トップに君臨し続けるための投資
ロレアルは競争の熾烈な美容市場でトップを走り続けるために、イノベーションに多額を投じています。4,000人の科学者と5,500人の技術・デジタル分野の専門家を擁し、R&I予算は10億ドルに達します。1998年には、研究およびイノベーション分野のデジタル文書向けに持続可能なデータベースを構築することを目的とする「Milor」プロジェクトに着手しました。その第一段階では、紙の使用量削減と文書管理の強化に重点を置いています。
レガシーECMがイノベーションの足枷に
ところがここ数年でロレアルは、老朽化したシステムがプロジェクト進行の足枷になっていることに気づきました。既存のドキュメントベースには使いやすさに難点があり、分類やサブフォルダが複雑であるため、文書が見つかりにくいのが特に問題となっていました。GDPR順守を達成し、データの品質コントロールを改善するには、労働者のためにユーザーエクスペリエンスを強化する必要がありました。
Nuxeoのソリューション
ロレアルはコンテンツサービス・プラットフォーム市場を調査し、ハイランドのNuxeoを選択しました。インターフェースの使いやすさ、クラウドネイティブのアーキテクチャ、拡張性、ローコード対応、既存の社内システムとの統合可能性、API管理が選択の決め手となりました。
文書変革プロジェクトの「Milor+」も実装に盛り込まれました。Milor+では、複雑なフォルダ構造からメタデータベースへの文書分類方式の切り替え、およびNuxeoの文書管理プラットフォームとハイランドのプロフェッショナルサービスチームと共同開発されたインテリジェントモジュールの活用に焦点が当てられました。また、アクセス許可管理の分類、機密保持、ドキュメント保有、個人データの識別が主目的となりました。
結果
Milor+は現在、全世界で6,000人が利用する700万件を超える文書を管理しており、世界中で1,500人の研究・オペレーション・スタッフをサポートしています。同プロジェクトは24時間365日稼動しており、文書のインポート件数は月に7万件(1万件が手動、6万件が自動)に、1日の参照件数は9万件にのぼっています。Milor+が管理するドキュメントタイプは、原材料ファイル、証明書、評価、コミュニケーションファイル、広告など多岐にわたっており、管理可能なタイプの範囲は継続的に広がっています。
将来の展望
ロレアルは、Nuxeo LTS 2023バージョンへのアップグレードを計画しており、DocuSignを通じて電子署名を統合しています。今後の取り組みには、文書データベース内の非構造化データの価値を引き出すために生成AIの能力の活用機会を探ることが含まれます。