DGT
Dirección General de Tráfico(DGT)のペーパーレスオフィスへの移行により、強力なワークフローと自動化が強化され、年間推定ROIは200万ユーロに達しています。
課題
Dirección General de Tráfico(DGT)は、スペインの車両交通と道路安全の管理を担当する公的機関です。毎年、何百万件もの購入/販売登録、新規車両の登録、罰金、その他の議事録を処理しています。それゆえ、そのサービス内容は個人、企業、その他の公的機関に対して大きな影響を与えるもので、例えば犯罪を解明するための重要な情報の提供のために、警察機関と連携することもあります。つまり、文書管理・処理のモダナイズは、特に国民に与える影響が大きいことから、DGTにとっては長年の課題となっていました。
2015年まで、DGTの業務は100%紙ベースで行われていました。さまざまな問題の中で、特に文書のトレーサビリティは、アーカイブと人員管理の両面でコスト超過を引き起こす大きな課題になっていました。組織全体での堅牢なデジタル化戦略ジャーニーには、抜本的な変革と大きな技術的課題が伴うため、現在もハイランドが引き続き支援しています。
DGTの技術チームは、ペーパーレスオフィスのメリットについて組織全体を説得しなければならなかっただけではなく、相互運用性、透明性、アジャイルマネジメントといった課題に優先順位をつけ、移行を成功させる計画を立てなければなりませんでした。技術チームがこうした課題を解決することによるROIを計算したところ、年間200万ユーロを超える節約が実現できることがわかりました。
そこで掲げられた目標は、紙、電子、そして混合型の記録を含めた電子DMS(ドキュメントマネジメントシステム)を開発し、将来にわたって確実に利用できる技術的ソリューションを基盤として、こうした記録のライフサイクル全体を統合すること、高度なカスタマイズ機能のある商用ソリューションを利用すること(費用の高いアドホックソリューションを避けること)、そして複数の業務アプリケーションの統合を促進することでした。柔軟性、自律性、スケーラビリティ、そして将来への予測が、成功の鍵となります。現在は、文書管理を行う前の手続きを体系化するためのツールの導入を進めています。
解決策
現在の開発段階までに、電子的な手続きの自動化に焦点を当てたDGTソリューションは進化を続け、新たな課題に対応し続けてきました。
2015年には、文書のデジタル化に関する現行の法律であるENI (国家相互運用性スキーム)にDGTが準拠できるように するレファレンスフレームワークの定義策定と最初のシステム の実装が行われました。 この法律では、行政が発行する文書に対して、特定のメタデータを割り当てたファイル形式を義務づけています。
2018年には、電子署名の導入、記録の位置情報、マルチメディアリポジトリの開発、記録ライフサイクルの管理に対応しました。
2020年には、主に新型コロナウイルスのパンデミックにより、DGTで扱う電子記録の量は大幅に増え、全体的なデジタル化も進みました。
現在、DGTとハイランドはRPAによるプロセスの自動化、相互運用性の最適化、新しいファイルハンドラの開発に取り組んでいます。プロセッサーは、ファイルの処理を担当するDGTスタッフにファイルを割り当てます。これはつまり、一般の人々からの要望を受理する公的機関の受付カウンターの機能を果たし、文書管理を補完する理想的な役割を担います。どのシステムも製品独自のワークフロー機能と、Mongo DBなどの非リレーショナルデータベースを利用しています。
優位性
時間の節約
デジタル化以前、各従業員は1日に30分かけて書類の検索、整理、送信に費やしていましたが、今ではそうではありません。さらに、DGTは新しいプロセッサーの導入により、最初の1年間で約800時間の労働時間を節約できる見込みです。
データをさらに効率的に使用する
このシステムの導入中、何百万ものデータがより効率的な管理プロセスに移行されました。現在では、物理的なオフィスで処理されるファイルの数は全体の 5~10% 未満にとどまっています。
複雑な手順を簡素化
RPA を使用することで、複数のシステムと関係者が関与する複雑なプロセスが、単一のプロセスに合理化されました。
記録の相互運用性
他の行政機関との連携もますます洗練されてきています。新しいシステムによって、DGTの記録のライフサイクルの結果を、行政機関の一般アーカイブに一括投入できるようになりました。