セカバンク
Cecabankは、従来の紙ベースのシステムをAlfrescoプラットフォームに切り替えることで、近代的かつ将来を見据えた金融機関へと進化しました。
課題
Cecabank は、 1928 年に設立された Confederation of Savings Banks の後継銀行です。もともとは、これらの貯蓄銀行は金融の機能のみならず、社会的機能も担っていました。
2008年の金融危機の間に、スペインの銀行セクターは再編され、45社の金融機関のうち、2021年には 6 つの金融機関と 2 つの貯蓄銀行のみが残りました。この変化によって、適応とモダナイゼーションの必要性が浮き彫りになりました。以来、Cecabank はさまざまな金融機関にホールセールバンキングサービスを提供する銀行として、地位を確立してきました。
Cecabank のシステムはレガシーで時代遅れであり、維持が困難なものでした。異種のシステムが複数存在し、さらに高度に細分化されているため、使いにくく非効率的なものになっていました。顧客は主に金融機関であることから、より現代的で効率的、かつ安全なシステムが必要でした。
解決策
この変革を実行するために、Cecabank はプロセス管理機能を備えた Hyland の Alfresco プラットフォームを選択しました。2020年、それまで紙ベースで行われていた金融取引の承認プロセスへの試験採用から導入が始まりました。この最初のプロセスでは、Alfresco のデジタルプラットフォームに合わせた設計と移行が行われましたが、これは適切な判断でした。
まずはシンプルなプロセスから始めて、段階的に実装を進めてゆきます。そこから、Cecabank のプロセスポータル Rocket が生まれました。プロセス全体を通して、Alfresco は具体的なすべてのニーズに対応し、プラットフォームをより使いやすいものにして、過去の複雑怪奇なアプリケーションの問題を解決しました。
再利用可能なノードとカスタム構成、そしてリアルタイムでプロセスを測定・分析するメカニズムも実装されました。さらに、Rocket は Power BI などのデータ分析ツールのプラットフォームに接続され、より効果的な情報の活用が可能になりました。従業員をトレーニングし、システム変更への抵抗を最小限に抑えるチームの努力も特筆に値します。
優位性
従業員はドキュメントやプロセスに一元的にアクセスできるため、作業が簡単になり、業務効率が向上します。
このシステムの機能には、ノードのカスタマイズ、管理と権限付与、外部データモデルとの統合が含まれています。たとえば、可視性設定ノードという 1 つのノードを使用すると、データプロセスとドキュメントに対するユーザーの権限を簡単に管理することができます。
Rocket によって、クリスマスバスケットの依頼、サプライヤー契約の正式な文書化、住宅ローンの発行、監査などのプロセスの管理が容易になりました。2023 年に実施された品質調査では、新しいプラットフォームに対するユーザーの満足を反映し、非常に高い支持率が明らかになりました。
将来の目標
Cecabank は 2024 年に向けていくつかの重要な目標を掲げています。
- エンタープライズプラットフォームにすること:
Rocket を企業のドキュメント マネージャーとして統合し、レガシーシステムと新しいコアビジネスプロセスからのドキュメントを統合します。
- クラウドへの移行:
AWSに移行することで、Cecabankはクラウドコンピューティングが提供するスケーラビリティ、新機能、人工知能を活用できるようになります。
これらの段階を経て、Cecabank はテクノロジー面でのモダナイズを進めるだけでなく、金融サービスにおける将来の革新と改善のための強固な基盤を構築しています。