Capita
国際的な専門サービス企業は、複雑で複数の利害関係者によるプロセスを簡素化し、年間で750時間の労働時間を節約しています。
課題
欧州全土を対象にしたカスタマーケア、コンサルティング、デジタルサービスの分野で ビジネスプロセスのアウトソーシング を請け負っている大手企業のCapitaは、ユニークな課題を抱えていました。同社の顧客であるドイツのユーティリティ会社は、毎年、自社のお客様にハガキを送って製品変更サービスを申し出ていました。お客様が変更を選択する場合、変更内容をハガキに記入してCapitaに返送し、その変更依頼が処理されました。
Capitaの従業員は、ハガキを1枚ずつスキャンして変更依頼を同社のシステムキューに登録します。その後、カスタマーサービスの担当者が、製品の変更を適切なSAPシステムに手動で入力し、有効か期限切れかを確認した後に、SAPシステムで有効な申し出をアクティブ化し、製品変更を完了させていました。
システムには、すでに必要な情報がすべて揃っており、カスタマーサービスが行うことは、各ハガキの内容をSAPのデータレコードと比較するのみでしたが、このプロセスは時間がかかり、簡単なものではありませんでした。さらに、処理量が偏っていたため、ピーク時には深刻なリソースの問題が発生していました。最悪の場合、注文の変更が他のお客様サービスプロセスのSLA (サービスレベル合意) に悪影響を及ぼしていました。
Capitaは、こうした課題を自動化によって解決したいと考えていましたが、古くからの多くのお客様はメールアドレスを持っておらず、オンラインのお客様ポータルにもアクセスできないなど、ハガキの配布を維持する必要もありました。また、顧客であるユーティリティ会社は、さまざまな種類の製品変更カードを使用し、それらをすべて有効としていたため、製品変更依頼の平均処理時間が長くなっていました。
解決策
こうしたことから、Capitaはハイランドにソリューション選びの支援を求めました。両社は協力して、ロボティック・プロセス・オートメーション (RPA) ソリューションを開発し、Capitaが紙ベースの注文変更プロセスの多くを自動化できるようにしました。RPAは、人間が行う作業の多くを再現するため、人的介入が必要なビジネスプロセスに最適なソリューションです。たとえば、データ入力、データ検証、チケットのルーティングなどは、すべてソフトウェアロボットが実行できます。RPAに、紙ベースのデータをインテリジェントに取り込み、構造化されたデータに変換する製品を組み合わせれば、データ取り込みプロセス全体を自動化できます。
注文変更処理自動化の第一歩として、Capitaのマーケティングチームは、標準化された製品変更カードを導入しました。今では、受け取った製品変更カードをハイランドRPAがをスキャンしています。OCRを使用 して内容を解析し、お客様を確認して、変更データを適切なSAPサービスに転送し、その結果に応じて依頼を終了するか、例外の場合は従業員に転送しています。
CapitaのIT部門は、このプロセスが部門をまたがって実行されることから、必要な情報をRPAソリューションによって受け取り製品変更をアクティブ化し、RPAソリューションに応答を送り返すというSAPサービスも作成しました。このプロセスによって、パフォーマンスが向上し、エラーが減少しました。
RPA統合は、当社のトランスフォーメーション戦略の一環であり、それぞれの特定のニーズやケースに応じて、適切なソリューションと機能を備えたサービスを提供します。
— Capita Europe、トランスフォーメーション担当部長、Ronak Patel氏
メリット
複雑性の簡素化:複雑、マルチシステム、複数関係者が関与するプロセスを、RPAを使用して簡素化し、単一のワークフローにまとめました。その結果、RPAソリューションのパフォーマンスが単一のダッシュボードで確認できるようになりました。
効率的なデータ使用:実装中に、大量のデータストリームがより効率的な処理プロセスに取り込まれ、注文変更の処理速度が劇的に向上しました。
時間の節約:注文変更処理を自動化した結果、Capitaは導入初年度に推定750時間の労働時間を節約しました。
エラーの削減:簡素化され改善されたプロセスの一環として、Capitaは以前よりも低い注文変更のエラー率を記録しました。